ローコスト住宅とはどんな家?安さのワケとデメリット

ローコスト住宅
ローコスト住宅が安いのはなぜ?
安いローコスト住宅のデメリットってあるのかな…。

など、ローコスト住宅の安さの秘密やメリット・デメリットを詳しく知りたい方は多いでしょう。

ローコスト住宅の安さの理由やメリット・デメリットを知った上で購入しないと、家づくりに失敗する可能性があります。

ここでは、ローコスト住宅の安さの理由やメリット・デメリット、注意点などについて紹介しています。

この記事を読めばローコスト住宅への理解が深まり、家づくりを進めやすくなります。ぜひ、ご覧ください。

ローコスト住宅とはどんな注文住宅?

ローコスト住宅とは、価格が安い家のことを指します。「●●万円だったらローコスト住宅」という明確な定義はありません。

一般的なメーカーの家が坪単価60万円〜100万円前後(30坪で1,800万円〜3,000万円)なのに対し、ローコスト住宅と呼ばれる家は坪単価30万円〜50万円以下(30坪で900万円〜1,500万円)のことが多いです。

また、フラット35の2019年調査によると、注文住宅の建築費の全国平均は3,452万年です。それが、ローコスト住宅なら、建築費1,000万円台のものが多いです。

ここからもローコスト住宅の安さが分かるでしょう。

次項では、ローコスト住宅の安さの秘密について紹介していきます。

ローコスト住宅が安い理由とは?

ローコスト住宅が安いのは、材料費や人件費などのコストを徹底的に削減しているからです。

コストは販売価格に転嫁されるため、コスト削減をすることで販売価格を安くできます。

ここでは、ローコスト住宅の安さの理由である、以下4つのコスト削減方法について確認していきましょう。

  1. 建材の一括仕入れ
  2. 施工法の合理化
  3. 広告宣伝費の抑制
  4. 設備のグレードを抑えている

建材の一括仕入れ

ローコスト住宅が安い理由の1つが、材料費が安いことです。

建材を一括仕入れしているため、通常よりも安く材料を調達できます。

間取りをパターン化して、使用する材料の種類を限定することで大量仕入れを実現しているのです。

また、設備に関しても同様です。キッチンや浴室、トイレなど採用する設備を決めて大量発注しています。

このように、ローコスト住宅が安いのは、一括仕入れによってコスト削減ができているからです。

施工法の合理化

工事を規格化して、人件費を削減しているのもローコスト住宅が安い理由です。

工場でプレカットを行い、現場での作業を省力化することで人件費コストを少なく抑えています。

施工法を合理化し、少ない人数・工程で家づくりができるようにすることで、ローコスト住宅の安さを実現しているのです。

広告宣伝費の抑制

広告宣伝費の抑制も、ローコスト住宅が安い理由です。

販売価格に含まれる広告宣伝費を少なく抑えることで、安さを実現しています。

一般的な住宅メーカーは、TVCMや豪華なパンフレット、モデルハウス、チラシ、WEBなど、さまざまな広告宣伝を行います。

そのため多額の費用がかかり、その分販売価格も高くなります。

ローコスト住宅の場合は、大々的なTVCMなどを実施しないことが多いです。豪華なパンフレットやモデルハウスなどはなく、チラシなど最低限の広告宣伝しかしていない業者がほとんどです。

広告宣伝費を抑えることで、安いローコスト住宅を実現しています。

設備のグレードを抑えている

ローコスト住宅は、設備のグレードを抑えることで安さを実現しています。

キッチンや浴室、トイレ、フローリング、窓などの標準仕様に豪華な設備は採用していません。

標準仕様を必要最低限のグレードに抑えることで、コスト削減を図っています。

ローコスト住宅を選ぶメリット・デメリット

ローコスト住宅のメリット

ローコスト住宅を選ぶメリットは、安くて早く住めることです。一般的な注文住宅よりも負担が少なく、契約〜引渡しまでの期間が短くて済みます。

ここでは、ローコスト住宅を選ぶ以下2つのメリットについて確認していきましょう。

  1. 建築費用が安い
  2. 建て替えや売却がしやすい
  3. 工期が短い

建築費用が安い

ローコスト住宅を選ぶ最大のメリットと言えるのが、建築費用の安さです。

坪単価30万円、本体価格1,000万円前後で販売されているローコスト住宅も多く見られます。

住宅金融支援機構の「2019年度フラット35利用者調査」によると、注文住宅融資利用者の全国平均建設費は3,452万4,000円です。

ローコスト住宅であれば、平均建設費の半額以下で建てることもできます。

建築費用が安いので、毎月の住宅ローン返済額を少なく抑えることが可能です。

以下は、35年返済、固定金利1.5%、元利均等でローンを組んだ場合の毎月返済額と総返済額になります。

  • 借入金額1,000万円:毎月返済額3万618円 総返済額1,285万9,535円
  • 借入金額3,500万円:毎月返済額10万7,164円 総返済額4,500万8,901円

このように、ローコスト住宅であれば返済額が少なくて済みます。もし、借入金額が2,000万円だとしても、毎月返済額は6万1,236円(総返済額2,571万9,333円)です。

建築費用が安く、家計負担が少ないのはローコスト住宅のメリットと言えます。

建て替えや売却がしやすい

ローコスト住宅は通常の注文住宅と比べると、作りがシンプルなことが多いです。

間取りもシンプルな家が多く、何かとカスタマイズをして、オーダーメイドな作りになってしまう、通常の注文住宅と比べると、解体や売却がしやすいです。

ローコストと聞くと、資産価値が低く、将来的に困るのではないかという印象もありますが、実際のところ、このようなメリットもあります。

凝りに凝った家というのは、買い手が付きづらく、扱いに困るものです。

工期が短い

工期が短いのもローコスト住宅のメリットです。完成までの期間が短いので、早く入居することができます。

一般的な注文住宅は工期が4ヶ月〜6ヶ月と言われていますが、ローコスト住宅は3ヶ月〜4ヶ月程度です。

家の規格化や施工の合理化により工期を短くすることで、コスト削減だけでなく早く住めるメリットがあります。

ローコスト住宅のデメリット

ローコスト住宅には上記のメリットがある一方で、設備や性能に関するデメリットがあります。どのようなデメリットがあるのかも把握した上で、検討するようにしましょう。

ここでは、以下3つのデメリットを紹介します。

  1. できることが少ない
  2. オプションが高くつくことも
  3. 性能が劣ってしまうことも

できることが少ない

ローコスト住宅のデメリットの1つが、自由度が低いことです。

コスト削減のため間取りや家の造りがパターン化されているので、自由に変更できる部分は限られます。一般的な注文住宅のように、間取り等を大きく変更することはできません。

間取りや仕様は、あらかじめ用意された数パターンの中から選択をします。

注文住宅ではあっても、自由度が低い点がローコスト住宅のデメリットです。

オプションが高くつくことも

ローコスト住宅は、価格を安くするために最低限の設備を標準仕様として採用しています。そのため、豪華な設備がついているわけではありません。

また、設備のグレードを上げたり、標準仕様外の設備を追加する場合は、別途費用がかかります。

「キッチンは●●メーカーのものがいい」「床暖房をつけたい」など、設備にこだわる場合は、予算が高くなることを理解しておきましょう。

性能が劣ってしまうことも

ローコスト住宅は、一般的な注文住宅に比べて性能面で劣る場合があります。

耐震性や耐久性、断熱性、遮音性などが劣り、メンテナンス費用が多くかかる可能性があります。

断熱性能や遮熱性能が低いと、電気代が余計にかかったり、騒音が気になることがあるので注意が必要です。

性能面で劣ることがあるのは、ローコスト住宅のデメリットです。

ローコスト住宅はどうやって建てる?

注文住宅を建てるとなると、建築会社をまず選ぶ必要がありますが、安く済ませるためには、どこに頼めばよいのでしょうか。

ハウスメーカー

最もポピュラーな選択肢がハウスメーカーへの依頼です。ハウスメーカーとは、全国規模の対応エリアを持つ建築会社で、TVCMなどで積極的に広告を打っている会社になります。

建築実績が豊富で、料金にも透明性があることがメリットでしょう。

とはいえ、ハウスメーカーと一口にいっても、その内容は様々です。

積水ハウスや大和ハウスのような高級な注文住宅が多いメーカーから、タマホームといったローコストメーカーもあります。

ローコスト住宅というと、ハウスメーカーのローコスト寄りの企業を指すことが一般的です。

ちなみに具体的なローコストメーカーは下記などですね。

  • タマホーム
  • アキュラホーム
  • レオハウス
  • ユニバーサルホーム
  • ヤマト住建

工務店

工務店とは、地域密着型で職人が施工を行う建築会社です。全国に無数に存在し、あなたの住んでいる地域にも必ず存在します。

ハウスメーカーで頼むよりも、広告費などがなく、安く済んだり、建築に関して融通が利きやすいことがメリットです。

地元の工務店に話を聞いていき、地道にローコストに建てられる会社を探し歩くのも手です。コネがある方は特に良いですね。

建築事務所

建築事務所とは、注文住宅のデザインをしてくれる事務所のことで、地元の工務店やメーカーと提携していることが多いです。

建築事務所を通さなくとも、デザイン面もメーカーや工務店にお願いすることが一般的ですが、建築事務所を通すことで、デザイン性の高い家を建てることができます。

建築事務所と工務店を自分で手配して、安くデザイン性の高い家を手に入れることも考えられますが、若干手間はかかりますね。

ローコスト住宅はデメリットも知った上で検討しよう

ここでは、ローコスト住宅の安さの理由やメリット・デメリット、建築会社などについて紹介しました。

あらためて最後に大事なポイントをおさらいします。

  • 坪単価30万円〜50万円以下の家をローコスト住宅と呼ぶことが多い
  • 材料費や人件費、広告宣伝費の削減によってローコスト住宅を実現
  • 建築費用が安いため住宅ローンの返済負担を少なく抑えることができる
  • 自由度が低く、性能面が劣る可能性もあるので注意が必要

ローコスト住宅の特徴やメリット・デメリットを知った上で検討することが大事です。ローコスト住宅に興味がある方は、早速、建築会社の資料請求をして進めていきましょう。